総評
第1回丹後「農業・農村」写真コンクールには、22点の応募作品が集まりました。
審査にあたり第1回ということでコンクールの趣旨と方向性について話し合い、確認しました。それは、「水と土と農」というコンクールの基本テーマをどのような視点でとらえているかという点を重視しつつ写真としての完成度と丹後の農業・農村を再発見できるようなイメージ表現を評価したいということです。
選考の経過は、審査員が、第一次審査として賞対象の作品を各3点候補として選びました。全体的に甲乙つけがたく、票は割れました。それぞれ作品のねらいがはっきりとしており、全体的に質の高いものばかりでした。プロの写真のようなねらいや構図、シャッターチャンスなどのそつのない完成度の高いものという視点よりも、農業・農村に息づく生活者の気持ちや雰囲気がとらえられた眼差しを重視しました。
第一次で選ばれた中から再度、投票で選出し、それぞれの作品について話し合いの結果、以下の作品を賞作品として決定しました。
金賞 坪倉義英さんの「農婦」
銀賞 細見宣夫さんの「棚田の早苗登」
銅賞 松本邦雄さんの「雨の如来堂」
さらに審査員特別賞として白木勇治さんの「みんなで初めての田植え」と、岩下強さんの「植直し」の2点を決めました。
残念ながら今回の賞にもれた作品の中にも良い作品は多数あり、正直、少し視点を変えるとどの作品も対象になってくると思います。今回は、農業・農村の生活風景という眼差しが、際立っていたように審査を終えて感じた次第です。
風景への眼差しは、なんでもない日常のなかにあって、あらためて見つめ直すことを気付かせてくれた眼差しだと教えられました。次回も是非、このような視点を掘り下げていただきたいと期待しています。
審査委員長 京都造形芸術大学 水野哲雄